【夏号】一歩を踏み出す

一歩を踏み出す

蝉しぐれがこだまし、夏の日差しがジリジリと照りつけています。

 

休日の昼下がり、汗だくになって畑仕事をした後のスイカのカブリつき。

少し落ち着き夏空を見上げると、モクモクと湧き上がる入道雲に、青春の一コマを思い出しました。

 

“雲の峰一人の家を一人発ち”(岡本瞳)いつも励まされまされる句です。

 

ムクムクと盛り上がる雲が、生命力や志の高さを感じさせ、頼るべき人のいない中で、自分の道を貫こうとする、たくましい意志が見える作品ですね。

 

 

青雲の志?らしきモノを抱きて、新卒入社9年余の職を辞し、独立資金の獲得と自分の運試しのために、郷里を発したときの気持ちを代弁してくれている様で、心に焼き付いている句です。

 

前職のお客様とのご縁で、アルバイトのつもりで始めた「発破士」は、4ヶ月で姉に立て替えて貰った借金を返済することが出来たことから、少し欲が出て「よし、危険のリスクは背負うが、一歩踏み出さなければ何も始まらんな」との思いから始まりました。

トンネル現場は、先進導坑、上部半断面、土平返しといった3段階で掘り進む過程で、切り羽の岩盤に削岩機で穴をあけ、段発式のダイナマイトを爆発させて掘り起こし貫通するまで繰り返すという作業です。

電気雷管を使用しますので、結線のミスや退避のタイミング、漏電、落石といったリスクを常に背負います。

一ミリもミスは許されない緊張の連続で6時間位が作業の限界といった世界に携わった3年余り、確かにお金は稼げましたが、緊張感をほぐすのにお金も使うので、思ったほどは貯まりませんでした。

 

しかし、尾道トンネルを始め、上越新幹線まで5本のトンネルを貫通させる間には、坑内事故で何人か亡くなる中、私は落石でのケガが一度あったくらいで済み、生き運はあったようです。

“今のままではダメだ”“親父を見返してやる”(当時は父を恨んでいました)といった、反発心のような強い想い込みがそうさせたのかも知れません。

 

目の前の入道雲も苦笑いしている様です。

涼しい木陰もけっこうですが、たくさん汗して、時には耐え切れないような山坂があってもいい気がします。

夏が夏であって欲しいように。

 

コロナも少し落ち着いて来たようですが、対策には万全をきして、大いに楽しい夏をお楽しみくださいね~。

この記事を書いた人

山本幸治

山本幸治

内子生まれで双海育ち。自動車整備士に憧れ、愛媛ダイハツが社会人のスタート。3人の娘と8人の孫。B型、戌年。39歳で独立。「真心こめた確かなサービス」を理念に掲げ、現在に至る。趣味は、読書、歴史散策、俳句、居合道、そばの栽培を含む家庭菜園など、そば打ちと日本酒愛の会員。

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