【早春号】25の春

25の春

少し早めの椿祭りが、春を告げてくれましたが、まだまだ気温の低い日が続いています。

しかし、自然界は春を感じて動き出しているようです。

早咲きの梅の柔らかい香りに、ついウグイスの初音を訪ねそうです。

木ノ芽のふくらみ、日差しの明るさ‥‥探してみると、様々な“春の兆し“に、胸の高まりを覚える今日この頃です。

 

忘れもしない25歳になる年の正月。

お袋とお雑煮を食べながら「あのなワシ会社を辞めようと思うんよ」思いっ切って言ってしまった。

チョッと驚いた顔をして「何で辞めるの」と聞かれた。

「うんイロイロあってな」と、口ごもった。

 

「あんなに憧れて整備士になったのに、今度は何するん」と問うた寂しそうな声に、しまった言うコトをもっと考えておくのだった。

しかし、後の祭りだ。

昔から心配の掛け通しだったのにまた心配を掛けてしまった。

それも正月早々悲しませてしまったと息苦しくなった。

“よく考えんといかんよ”とお袋は言ったように思う‥‥ そこまでしか覚えていない。

何であの時あんなことが口から出てしまったのか。

前から少しづつ考えていたことが弾みで出てしまったようだ。

「隣の芝生は青い」状態と、大好きだった所長の交代で、今度来る所長に対する松山勤務時代の相性の悪さのコトを考えると、ただ辞めたい一心で、嫌なコトから逃げてしまう何とも情けない人間だったと思う。

 

しかし、その時の後悔は、僕の人生を大きく変えることになった“春の転機”であったことは間違いありません。

結局は9年半ほど務めた会社を辞め、誘われるままに発破士になったり、ミシン屋に努めたりもしましたが、改めて外から見た自動車整備士のカッコ良さを再認識。

“これしか自分には無い”と心底思いました。若気の至りで少し寄り道はしましたが、その後は脇目もふらず車屋一本、今に至ることとなりました。

 

そんなことを思い出しながら、また新しい一年の始まりです。

人生山あり谷あり、泣きたくなる日もあれば、眉間にシワをよせる日もあります。

でも今日のコトは今日のコト。

明日はきっと笑っていたい。無理して笑う必要はないけれど、“心の春”を感じながら口角をキュッと上げると、気持ちも上向きます。

そんなことで、今年もお役に立てますように社員一同、一生懸命頑張ります、どうぞ宜しくお願い致します。

この記事を書いた人

山本幸治

山本幸治

内子生まれで双海育ち。自動車整備士に憧れ、愛媛ダイハツが社会人のスタート。3人の娘と8人の孫。B型、戌年。39歳で独立。「真心こめた確かなサービス」を理念に掲げ、現在に至る。趣味は、読書、歴史散策、俳句、居合道、そばの栽培を含む家庭菜園など、そば打ちと日本酒愛の会員。

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