【春号】“ワクワク桜”
仕事でよく通る道に「桜のトンネル」と思えるような所があります。
桜が咲いた時に通ると、なぜか気持ちが前向きになりワクワクドキドキ感のある処です。
枝を揺らさないようにそうっと車のスピードを落とす。
それでも散りゆく花びらは、初雪のように静かに空を舞う。
時間のある時は少し先の広くなっている所に車を止め真下を歩いてみる。
そこには、ほのかに淡く花を開き、その短い命を謳歌している桜に出会うことができる。
周りが暗くなりヘッドライトに照らされた桜にも息を飲む。
一分咲き、三分咲き、五分咲きと段々と満開に近づいて行くさまにドキドキ感は高まる。
桜吹雪に出会ったときの見事な景色にも「源氏物語」に出て来る一節のように心が震える。
今年もまた、桜花を愛でながら、まるで風を押さえ、遠ざけるようにクルマを滑らせた。
まるで春を刻みながら登り征くように!。